引用:「食と健康」2007 2 p48〜
飲食店の接客マナー 文:梅谷羊次

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リーダーの立ち振る舞いと言動がお店の基準

 仕事を通して教育をするOJT(on the job training)の基本は、山本五十六の言葉「して見せて、言って聞かせてさせてみて、誉めてやらねば、人は動かじ」に集約されていると思います。これは、チェーン店にも個人店にも共通します。店主なり、店長なり、その店のリーダーの立ち振る舞いと言動が基準になります。
 従業員はリーダーの言う通りに行動するのではなく、リーダーの行動するように行動するのです。よいサービスができているレストランは、よいマニュアルがあるからではなく、責任者が自らよいサービスをしているからです。家庭におけるしつけと同じであると思います。

よいサービスは「あいさつ」から

 両親が明るくあいさつする家庭の子どもは、同じように明るくあいさつします。「おはよう」「いただきます」「ごちそうさま」「行ってきます」「ただいま」「おやすみなさい」などの言葉が明るく交わされる家庭で育った子ども、いわゆる「しつけのよい家庭の子」はよいサービスをすることができます。責任者が親の役割を実践しているかどうか、そのことが一番重要です。自らができていなかったら、教育の効果はありません。
 リーダーが明るく振る舞っても、同じように振る舞うことができない従業員もいます。また、先にあいさつできない人もいます。しかし、従業員から先にあいさつするべきだと考える前に、習慣になるまで店主自らが明るくあいさつしましょう。時間はかかるかもしれませんが、従業員として雇用している以上、くじけずに続けることです。
 しかしながら、それでも無理だとわかったら、教育するのを早くあきらめて、適性のある人に替えるべきです。

従業員こそ大切なお客さま

 教育よりも大事なことは採用ですが、面接時にその人が接客や食品業に適性があるかどうか、経営者は瞬時に判断するべきです。服装、身だしなみや態度、離し方で人物を見抜くことができるはずです。
 理想は、適性のある人が働きたくなるような、魅力的な職場にすることです。特に、パート従業員はお客さまと同じで、客として利用したくなる店は働きたくなる店でもあります。従業員はレストランにとっては、もっともたいせつなお客さまなのです。

(中略)

サービスの仕方は2通り

 次に、サービスについての考え方を説明します。サービスのスタイルとしては、「サーバントサービス」と「フレンドリーサービス」の2通りがあると思います。一般的にマニュアル本には、サーバントサービスのことが多く紹介されています。

位の高い人に対する接し方
「サーバントサービス」
 
 サーバントとは使用人や召使い、公僕という意味なので、サーバントサービスとは使用人がお客さまに対するようなものです。従来のホテルやデパート、高級レストランなどはこのサービスを踏襲しています。
 きちんと腰を曲げてお辞儀をする、敬語を使うなど、お客さまを自分より位の高い人のように接し、「失礼します」という言葉を多用します。公的なサービスでは必要なことですが、日常のレストランでの接客では現実的ではないと思います。
 腰を曲げ、頭を下げたあいさつでは、視線が合わないので笑顔は出ません。視線を合わせることが、コミュニケーションではもっともたいせつなことなのです。

親しみを込めた接し方
「フレンドリーサービス」

 一方、「フレンドリー」とは友人のようなとか親しいという意味なので、フレンドリーサービスとは自宅に友人や親類を招くときの家族のような接し方です。レストランに来るお客さまに対しても、友人のような気持ちでサービスすることをいいます。
 お迎えをするときは「いらっしゃいませ」よりも「こんにちは」といい、腰を曲げてあいさつするよりも、軽く会釈をし、顔を見て笑顔で接します。
 たとえば、東京ディズニーランドはわが国で一番サービスがよいとの定評がありますが、
「いらっしゃいませ」
とは言わず、顔をあわせて
「こんにちは」
と言って笑顔で迎えてくれます。
 サービスの行き届いているカフェのチェーンなどでも同様です。
 米国では親しげに、「ハーイ」と言ってあいさつしてくれ、ちょっと距離が離れていると、手をあげて笑顔を見せてくれます。友人に会ったときのような、自然な態度です。
 普通のレストランにおいては、そのようなフレンドリーサービスのほうがサーバントサービスよりもはるかに気持ちがよいものですし、実現性があります。
 しかしながら、フレンドリーサービスはサーバントサービスよりも人間性が出ますから、なれなれしくならないようにするなど、本当の教育が必要です。


いい話でした。

接客業なので、フレンドリーサービスを是非取り入れたいと思いました。

昨日のニュースで

「患者様」という日本語は変、

医療スタッフへの暴言、暴行が増えたって言うのを見て、

必要以上にへりくだるのはおかしいと思いましたし。

「患者さん」でいいと思います。

もっといいのは「○○(名前)さん」。

お客さんの立場でも「ありがとう」と言うように心がけている方がいいと思います。

金のやり取りで、上下関係が生まれるのは何だか淋しい。。。

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